聖書の中でもっとも人気の高い書は、おそらく「ヨハネの福音書」でしょう。
全部で21章に及ぶ長い物語ですが、しかしこの物語が書かれた理由は、たった一言で言い表すことができます。
しかし、これらのことが書かれたのは、イエスが神の子キリストであることを、あなたがたが信じるため、また、あなたがたが信じて、イエスの御名によっていのちを得るためである。(ヨハネ20・31)
ヨハネが福音書を書いた第一の目的は、まだイエス・キリストについて知らない人たちに初めてイエスを紹介し、人々が信じて「命を得るため」でした。
もちろんすでに信じた人々なら、さらに深い真理を探るためにもこの書は役に立ちます。
ところが、じつは同じヨハネは、福音書以外にも教会宛の手紙などを聖書の中に書き残しています。
なぜヨハネは福音書以外にも手紙を書いたのでしょうか?
その目的は、次の一言に集約されています。
私が神の御子の名を信じているあなたがたに対してこれらのことを書いたのは、あなたがたが永遠のいのちを持っていることを、あなたがたによくわからせるためです。
(Ⅰヨハネ5・13)
ヨハネは、今度はすでに信仰を持っている人々に、「命を持っていることを良く分からせるため」書いたそうです。
ヨハネの手紙を読むと、当時、イエスを信じてはいても、まだまだ霊的に未熟なままの人が多くいたことが分かります。
「神と交わりがある」と言っても、闇(罪)の中を歩んでいる人もいました。
「神を愛している」と言っても、教会の仲間を愛せない人もいました。
「霊的だから」といって何でも受け入れてしまう人がいました。
つまり、今の時代と変わりません。
人がそんな状態に留まってしまうのは、ヨハネに言わせれば「せっかく与えられた神からの命の真の価値をまだ良く分かっていないから」なのです。
彼らはまだまだ信仰面では赤ん坊でした。
ヨハネはそんな彼らが成熟して一人前になれるようにと、手紙を書いて指導を与えました。
手紙の中で、ヨハネは私たちの霊的な成長の段階を次のように書いています。
子どもたちよ。
私があなたがたに書き送るのは、主の御名によって、あなたがたの罪が赦されたからです。
父たちよ。
私があなたがたに書き送るのは、あなたがたが、初めからおられる方を、知ったからです。
若い者たちよ。
私があなたがたに書き送るのは、あなたがたが悪い者に打ち勝ったからです。
小さい者たちよ。
私があなたがたに書いて来たのは、あなたがたが御父を知ったからです。
父たちよ。
私があなたがたに書いて来たのは、あなたがたが、初めからおられる方を、知ったからです。
若い者たちよ。
私があなたがたに書いて来たのは、あなたがたが強い者であり、神のみことばが、あなたがたのうちにとどまり、そして、あなたがたが悪い者に打ち勝ったからです。
(Ⅰヨハネ2・12-14)
抽象的で、重複もあり、順番もバラバラなので、一度読むだけではよく分かりません。
しかし正しく整頓すると、全部で4つの段階が書かれていることが分かります。
①子どもたち
②小さい者たち
③若い者たち
④父たち
ヨハネは、神からの啓示を受けて、信仰者の霊的な成長をシンプルに4つの段階に分けました。
今からこの4つを順番に見て行きましょう。
これは、ヨハネがすでに書いているように、神が与える命を良く分かるため、そして、成長へのビジョンを持つためです。